「っぽさ」は、細部に宿る。
着物からリメイクした、メンズジャケットです。
形としては、3つボタンのテーラーカラー。要素をできるだけ削ぎ落とし、シンプルなデザインを目指しました。
一般的な紳士服のジャケットと比べると、胸ポケットやフラワーホールがないなど、いくつもの違いがあります。内側の芯の構造も、通常とは異なります。
それでも、このジャケットはあくまで「シンプルな3つボタンのテーラーカラー」です。
今回試みたのは、着物リメイクの「っぽさ」を、形そのもので表現することでした。
そもそも、着物から洋服へのリメイクは、必ずしも相性が良いとは言えません。
使える形が限られるだけでなく、洋服地と着物地とでは、素材の「味付け」が異なるからです。
そこで今回は、定番ジャケットの「味付け」を、着物のそれに合わせることを試みました。
そのために、型紙に存在するすべての線を見直し、細部から「着物リメイクらしさ」を立ち上げています。
「当たり前の服を、より良いものにする」ということは、一見した印象が優先されがちな今の時代において、決して簡単なことではありません。
いかにもそれらしい意匠に頼るのではなく、あくまで自然ににじみ出る、「っぽさ」を大切にデザインしました。
