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元教え子ちゃんが、やってきた。


 完成作品

元教え子ちゃんが、やってきた。


「型紙について知りたいんです」
そう言って、元教え子ちゃんが訪ねてきました。

型紙というテーマは、なかなか厄介です。

そもそも「型紙のつくり方は、どうやって学ぶものなのか?」という問いに対する、はっきりした答えがあるわけではありません。
ただ、ボクなりの考えはあります。

でも、それが一般的な答えなのかどうかは、わかりません。

ちょっと興味もあって、逆にボクから聞いてみました。
「みんな、どうやって型紙のつくり方を学んでいるの?」
すると、元教え子ちゃんのまわりでも、学校を卒業しても、結局は自分流でなんとかしている、という話。

「学校で教わるんじゃないの?」

そう思う人もいるかもしれません。
でも、服飾学校で学べば型紙の構造を理解できるようになるのかというと、ボクはその点は、かなり疑っています。
これは、ある意味で、日本の服飾教育の罪なのではないかと思っています。

もともと、日本の洋裁の教育メソッドは、市井の仕立て職人や家庭の主婦が洋服をつくれるようになるために発展してきました。

そこでは、「理解すること」よりも、「理解できなくても作れるようになること」が大切にされてきました。
それは、とても大事なことでもあります。

最初の一歩としては、きっと役に立つ。
でも、その先へ進もうとしたとき、

「なぜそうなるのか」がわからないままだと、どこかで行き止まりになってしまう。
と、ボクは、そう感じてきました。

なので、学校で教えるとき、直接的な技術を教えることは、だんだん少なくなっていきました。

その代わりに、「どう考えるか」という話を、ひたすらするようになりました。
今回も、こんな前置きをしてから話を始めました。
「ボクがどうやっているかは、いくらでも話します。でも、それが○○さんにとっての正解かどうかはわかりません」、と。

型紙づくりというのは、実はとてもシンプルな作業です。
まず、服の全体の流れや量を、ぱっとイメージすること。

そして、細かい寸法を確認すること。
この二つを、行ったり来たりしながら進めていきます。
この往復ができれば、基本的にはどんなデザインでも型紙をつくることができます。
そして実際の仕事では、型紙をゼロからつくることはほとんどありません。

多くの場合、過去の型紙を写して、そこから少しずつ修正していきます。

ただ、この作業を何も考えずに繰り返していると、とても時間がかかります。

だからこそ、遠回りしないための考え方や、必要以上に時間をかけないための方法があります。
それが、ボクにとっての「型紙の学び方 ≒ 理解の仕方」です。

元教え子ちゃんが知りたかったことに、ちゃんと答えられていたかどうかはわかりません。
でも、こうやって一緒に考えることは、とても楽し時間でした。
というか、こういう「学校」をつくりたい。

2026年3月15日