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「デザイナー」か、「設計者」か


最近、YouTubeでアンドレ・クレージュに関する動画を観ていました。

そこで印象的だったのは、クレージュが若い頃にファッションではなく、航空工学や土木工学を学んでいたという話です。そして彼は、「私はクチュリエではなくコンストラクターだ」と語っていたそうです。直訳すれば、「私はデザイナーではなく設計者だ」という意味になります。
動画の中ではさらに、「多くのデザイナーが美しさから発想するのに対し、クレージュは構造や機能から考えた」「彼が目指したのは女性を美しく見せることよりも、女性が生きやすくなる新しい時代を形にすることだった」という解説もありました。

言葉の定義そのものにはさまざまな解釈があります。ただ、僕が興味を持ったのは、その呼び方によって生まれる“服づくりの違い”です。

僕自身も、服を考えるときに「まず構造や機能を考え、その結果として形が現れる」という発想をすることが少なくありません。そのため、クレージュの視点にはとても共感しました。たぶん、それがこの動画が強く印象に残った理由なのだと思います。
もちろん、何を作るのか、どのような状況で作るのかによって考え方は変わります。でも、それ以上に大きいのは、作り手自身が持つ思考の癖なのかもしれません。
自分は「デザイナー」として世界を見ているのか。それとも「設計者」として見ているのか。

そういえば、山本耀司氏もインタビューで「自分はアーティストではなくクラフトマンだ」と語っていました。

他人と完全に同じ意味で言葉を共有することはできません。それでも、「自分は何者なのか」を表す言葉を考えることには大きな意味があるように思います。
ものづくりに関わる人は、世の中に定着している肩書きにそのまま当てはまるのではなく、一度「自分は○○だ」の○○に入る言葉を考えてみてもよいのではないでしょうか。

その言葉が、自分がどこに立ち、どのような視点で世界を見ているのかを、より明確にしてくれる存在になるかもしれません。

 「デザイナー」か、「設計者」か

この服の構造、わかりますか?


2026年6月21日