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「神様に近い場所」って何だろう


関西に引っ越したとき、ボクは「神様に近い場所で洋服つくりをしてみようと思います」という表現を使いました。
思いつきの言葉ではありますが、今でも間違った表現だとは思っていません。むしろ、便利な東京で暮らしていた頃に、どこか足りないと感じていたものを表す言葉だったように思います。

以前は、日本有数の参拝者数を誇る明治神宮の近くに住んでいました。でも不思議と、そこにいても「神様に近い場所」という感覚にはなりませんでした。

もちろん、ここでいう「神様に近い場所」とは、特定の神社やお寺といった宗教施設そのものを指しているわけではありません。
これはあくまでボクの想像ですが、「神様に近い場所」は、その土地の“始まり”にあるのではないかと思っています。
はるか昔、誰かが自然の中に神様の気配を感じ、その場所に石を積んだり、祈りの場を設けたりした。そうした素朴な感覚こそが、宗教施設の始まりだったのではないでしょうか。

そして、人が神様を感じる場所には、ある程度の共通性があったからこそ、多くの人が集まり、やがて建物が建てられ、信仰の場として受け継がれてきたのだと思います。
だとすれば、「神様に近い場所」は後からつくれるものではありません。開発によって失われてしまうことはあっても、どれほど立派な施設を建てたとしても、新たに生み出すことはできないのではないでしょうか。
ボクが、明治時代以降につくられた神社に対して、どこか「神様に近い場所」と感じられないことにも、この考え方はつながっています。時代が新しくなるほど、人々の素朴な宗教感覚から生まれた場所というより、意図的につくられた場所になってしまうからです。

もちろん、「神様に近い場所」というのは、あくまで感覚的な話です。 でも、何かの始まりというものは、本来、こうした素朴な感覚に根差しているべきなのだと思います。

だからこそ、自分自身の素朴な感覚を失わないこと。そして、日々その感覚を磨き続けることを大切にしたいと思っています。

「神様に近い場所」って何だろう

ここは「神様に近い場所」?


2026年7月16日